今回は混声合唱曲「おんがく」の歌詞の意味について詳しく考察していきます!
是非最後まで見ていってください!
曲の概要についてはこちら→「おんがく」(木下牧子)を紹介! 合唱曲解説 | 合唱曲紹介屋tam
歌い方のコツはこちら→「おんがく」(木下牧子) 歌い方のコツを解説 | 合唱曲紹介屋tam
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はじめに
「おんがく」は詩人のまど・みちおによって書かれた、
音楽を「聴くもの」ではなく「触れるもの」として描いた、
とても感覚的で繊細な世界を持った作品です。
テーマは
-
音楽と身体の関係
-
感覚の混ざり合い(共感覚)
-
音に抱かれる存在としての人間
ただ音楽を楽しむ、という話ではなく、
音楽の中に溶けていきたい
という願いが描かれています。
前半 ― 音楽は“見るもの”
かみさまだったら
みえるのかしら
ここでいきなり出てくる「かみさま」。
これは宗教というより、
人間を超えた感覚の存在 を意味しています。
人間には見えないものが、
神様には見えるのではないか。
つまりここで問われているのは、
音楽の正体 です。
みみを ふさいで
おんがくを ながめていたい
普通は音楽は「耳で聴く」もの。
でもこの詩では逆です。
耳をふさいで、音楽を「ながめる」。
ここで世界は一気に変わります。
音楽が
音 → 形あるもの
に変わるのです。
これは共感覚的な表現で、
音楽が“風景”のように存在している感覚を表しています。
中盤 ― 音楽は“匂い”“味”“温度”
目もつぶって 花のかおりへのように
おんがくに かお よせていたい
音楽を「香り」のように感じたい。
これは
音楽=空気の中に広がるもの
というイメージです。
音楽が、空間そのものになる。
聴くのではなく、
包まれる ものになります。
口にふくんで まっていたい
シャーベットのように広がってくるのを
ここで感覚は「味覚」へ。
しかもシャーベット。
冷たくて、ゆっくり溶けて、口いっぱいに広がる。
音楽が時間をかけて広がる様子が、
とても身体的に表現されています。
音楽はもう音ではなく、
身体の内側に入ってくるもの
になっています。
後半 ― 音楽に抱かれる
そして ほほずりしていたい
そのむねに だかれて
ここでついに、音楽は「存在」になります。
胸がある
抱かれる
つまり音楽は「誰か」のように描かれています。
恋人のようでもあり、
母のようでもあり、
神のようでもある存在。
音楽に守られ、包まれ、委ねる。
これは
音楽に身を預ける安心感
を表しています。
この詩が描いていること
この詩は、
音楽を理解しようとする詩ではありません。
音楽を
分析するのではなく、
溶けてしまいたい対象 として描いています。
人間の五感
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見る
-
聴く
-
嗅ぐ
-
味わう
-
触れる
その全部が混ざり合う世界。
音楽が、
世界そのものになる瞬間を描いた詩です。
おわりに
この詩はとても静かですが、
実は強い願いが込められています。
それは
「音楽の中で生きたい」
という願い。
音楽を聴く人ではなく、
音楽の一部になりたい。
歌うときは、
音を出そうとするよりも
音に包まれているイメージで
優しく、触れるように歌うと
この詩の世界が伝わります。
とても純粋で、
とても美しい音楽観を描いた詩です。
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