今回は混声合唱曲「言葉は」の歌詞の意味を考察していきます!
是非最後まで見ていってください!
はじめに
「言葉は」(作詩:谷川俊太郎/作曲:信長貴富)は
長野県合唱連盟の第50回を記念した合唱祭のために2012年に作曲された曲です。
「言葉」に関することを優しい言葉で描いた作品です。
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■ 詩の全体像
この詩は最初から最後まで、
言葉を植物の一生になぞらえて描く
構造になっています。
種子 → 新芽 → 蕾 → 花 → 枝 → 根 → 葉 → 果実
つまりこれは
言葉の“成長と循環”の物語
です。
ここで重要なのは、
言葉が「人間がコントロールするもの」としては描かれていないこと。
むしろ、
言葉のほうが生命として自律している
という世界観が見えてきます。
■ 始まりは「種子」 ―― 言葉は人類以前からある
言葉は種子
いにしえからの大地に眠る
言葉は“作られた”のではなく、
太古から世界に眠っているもの
として描かれます。
これはつまり、
私たちは言葉を「発明」しているのではなく
眠っていた言葉を“目覚めさせている”
という感覚。
言葉は歴史・文化・記憶の蓄積そのもの。
■ 「新芽」 ―― 言葉の誕生
言葉は新芽
赤ん坊の唇に生まれる
ここがとてもやさしい場面。
言葉は知識からではなく、
命の始まりとともに芽吹く。
赤ん坊が発する最初の声は
意味以前の音。
それでもそれは「言葉の新芽」。
■ 「蕾」 ―― 心の内側に潜む言葉
言葉は蕾
恋人たちの心にひそみ
蕾はまだ開いていない状態。
つまりこれは
まだ口に出されていない言葉
のこと。
恋心や想いは、
言葉になる前から心の中に存在している。
言葉は“発せられた瞬間”に生まれるのではなく、
心の奥で育っている。
■ 「花」 ―― 言葉が世界に開く瞬間
言葉は華
歌われて大気に開く
ここで言葉はついに外へ。
しかも「話される」ではなく「歌われる」。
歌は最も感情が解き放たれた言葉の形。
言葉は空気中に広がり、
他者に届いて初めて“花”になる。
■ 「枝」と「根」 ―― 言葉の広がりと深まり
言葉は枝
風にのって空をくすぐり
これは言葉の拡散。
噂、詩、歌、物語――
言葉は空間を越えて広がっていきます。
一方で、
言葉は根っこ
ほのかな魂の闇にひろがる
これは内面への浸透。
言葉は人の心の奥に根を張り、
無意識の部分まで影響を与える。
■ 「葉」と「果実」 ―― 言葉の循環と成熟
言葉は葉っぱ
枯れて新しい季節にのぞみ
言葉は消えることもある。
流行語、古語、忘れられる表現。
でもそれは終わりではなく、
次の言葉を生むための循環
です。
そして最終段階。
言葉は果実
苦しみの夜に実り
喜びの日々に熟して
言葉は経験によって深まる。
苦しみが「実り」を与え、
喜びが「熟成」させる。
■ 終盤の核心 ―― 言葉の力とは何か
限りなく深まる意味で
味わい尽くせぬ微妙な味で
人々の心をむすぶ
言葉は単なる情報伝達ではない。
それは
-
意味が深まり続け
-
一度で理解しきれず
-
人と人を結びつける
精神的な“果実”。
■ この詩が伝えていること
この詩は言っています。
言葉は道具ではない。生命である。
私たちは言葉を“使っている”つもりでも、
実は言葉の循環の中に生かされている。
言葉は
生まれ、育ち、広がり、根を張り、実り、また次へ続く。
■ まとめ
この詩のメッセージは
言葉とは、人間と世界をつなぐ“生きた循環”そのもの
ということです。
だから言葉には
-
深さがあり
-
時間が染み込み
-
人の心を結ぶ力がある
言葉は消えない。
姿を変えて、季節のように巡っていく。
ぜひ詩をかみしめながら歌ってみてください!
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