今回は混声合唱曲「もう一度」の歌詞の意味を考察していきます!
是非最後まで見ていってください!
はじめに
「もう一度」は混声合唱組曲「明日へ続く道」に収録されている、詩人の星野富弘によって描かれた作品です。
星野富弘は事故によって手足の自由を失いながらも、
口に筆を咥えながら詩を書いた人です。
この詩が描いているのは「再生」です。
悲しみや挫折を経験したあとに、もう一度前を向こうとする心。
作者の背景を知ってからだと、詩の重みや深みが全く変わってきます。
中心にあるのは
失われた時間への想い
それでも立ち上がろうとする意志
小さな一歩が未来へつながるという希望
です。
やわらかい自然の情景で包みながら、
内側では強い「生き直す力」が流れています。
前半:涙と逃避のイメージ
冒頭では、花の姿が涙に重ねられます。
ここで示されているのは、心の中にある悲しみや喪失感。
さらに「遠くへ行きたい」という願いが現れます。
これは物理的に遠くへ行きたいという意味だけでなく、精神的に辛さから逃れたいという意味でもありそうです。
作者は手足の自由を失ってしまった。遠くへ行くことは難しくなった。
つらさから自由になりたい。
過去を背負わずに別の場所へ行きたい。
でも、その願いはすぐに転換します。
「もう一度やってみよう」という言葉が、
逃避から再挑戦へと心の向きを変えるのです。
「なかったみたいに」流れる時間
「あの日のこと」はきっと事故があった日のことでしょう。
ここにあるのは、
「世界は待ってくれない」という感覚。
朝の光がまぶしく感じられるのは、
心がまだその明るさに追いついていないから。
悲しみの中にいる人にとって、
世界の普通さは時に残酷に映ります。
でもこの光は同時に、
再出発の合図でもあります。
中盤:夜から朝への転換
深い夜の底から聞こえる“歌”のイメージは、
希望が完全には消えていないことを示します。
折れたものが再び花をつける姿や、
小さな花が光を受けて揺れる様子は、
傷ついた存在でも、
もう一度生き直せることの象徴です。
ここで自然は、
「時間が命をもう一度動かす力」を表しています。
「翼はない」という現実
再び出てくる「もう一度」という言葉。
でも今度は、現実をちゃんと見つめた上での決意です。
空を飛べる存在ではない。
特別な力があるわけでもない。
それでも、心と夢は失われていない。
ここがこの詩の核心。
希望は能力から生まれるのではなく、
「まだやりたいと思える気持ち」から生まれるのだと示しています。
終盤:一歩の意味
最後に描かれるのは、
今立っている場所から始まる未来。
遠い理想や大きな奇跡ではなく、
足元の一歩。
未来とはどこかにあるものではなく、
今この瞬間の選択から伸びていく道だ、
という静かな宣言です。
おわりに
この詩は
過去を忘れる物語ではなく、
傷を抱えたまま前に進む心を描いた作品です。
悲しみは消えない。
現実も急には変わらない。
それでも
もう一度やってみようと思うこと
小さな希望を手放さないこと
今日の一歩を踏み出すこと
その積み重ねが、
人生を再び動かしていく。
静かな花のイメージの中に、
強い再生の意志が込められた一篇です。


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