「旅立ちの日に」 は、卒業式の合唱曲として全国的に歌い継がれてきた、日本を代表する合唱曲の一つです。
世代や学校を越えて共有されてきたこの曲は、単なる「定番曲」ではなく、集団で別れと希望を表現するための、極めて合唱的な作品だと言えます。
この記事では、「旅立ちの日に」がなぜ長く歌われてきたのかを整理しつつ、合唱で歌う際に大切にしたい表現のポイントを解説します。
🎼 曲の基本情報
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曲名:旅立ちの日に
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作詞:小嶋 登
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作曲:坂本 浩美
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編成:混声三部合唱(ピアノ伴奏)
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演奏時間:約4分
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難易度:初級〜中級(音域は易しいが、表現力が問われる)
音域や旋律は比較的歌いやすく、合唱初心者にも取り組みやすい一方で、歌い方次第で完成度に大きな差が出る曲です。
📖 歌詞の意味・テーマ
「旅立ちの日に」の歌詞は、
別れ・不安・期待という、人生の節目に誰もが抱く感情をまっすぐな言葉で描いています。
特徴的なのは、
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過度に感傷的にならない
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未来を否定しない
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それでも不安は消さない
という、非常にバランスの取れた視点です。
この詩は「がんばれ」と背中を強く押すのではなく、
「不安があっても、前へ進んでいい」と静かに肯定します。
だからこそ、卒業という場面だけでなく、聴く人それぞれの人生の節目に重なってきます。
🎤 合唱で歌うときのポイント
① 明るくなりすぎないことが重要
「旅立ち」という言葉から、
つい前向きで元気な演奏に寄せたくなりますが、
この曲の魅力は 明るさと寂しさが同時に存在している点 にあります。
常に笑顔で歌うのではなく、
少し立ち止まりながら前を向く感覚を持つと、歌詞の説得力が増します。
② ユニゾンは「気持ち」をそろえる
この曲には、ユニゾンで歌う場面が多くあります。
音程やタイミングをそろえるのは当然として、
それ以上に大切なのは、言葉の方向性をそろえることです。
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誰に向けて歌っているのか
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どんな気持ちで別れを告げているのか
これを合唱団全体で共有できるかどうかが、演奏の完成度を左右します。
③ クライマックスで出し切らない
終盤は自然と盛り上がりますが、
声量を出し切ってしまうと、その後の余韻が残りません。
クライマックスは「最大音量」ではなく、
最大の想いが集まる場所として捉え、
音の厚みと響きで感情を表現しましょう。
🎓 卒業式で歌うということ
卒業式で歌われる「旅立ちの日に」は、
歌い手自身のための歌であると同時に、
支えてきた人へ向けた感謝の歌でもあります。
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同級生
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先生
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家族
そのすべてに向かって歌っている、という意識を持つことで、
演奏は一段深みを増します。
📝 まとめ
「旅立ちの日に」は、
派手な技巧や強い主張はありません。
しかしその分、歌い手の姿勢がそのまま音楽に表れる曲です。
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感情を押しつけない
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言葉を丁寧に届ける
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仲間と同じ方向を向く
これらを大切にすることで、
この曲は「よく知っている曲」から
忘れられない合唱へと変わります。
ぜひ、静かな覚悟をもって歌ってみてください。


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